快適に眠れる敷布団とマットレスの素材は?

敷布団にしてもマットレスにしても様々な素材が使われており、それぞれに寝心地も異なります。どれが優れているかは好みにもよるので一概にはいえません。メリットとデメリットを知って最適なものを選びましょう。

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敷布団の素材の種類

木綿

メリット デメリット
・吸湿性が良い
・体に優しい
・打ち直せば繰り返し使える
・湿気を溜め込む
・ダニやカビの温床になる
・ずっしりと重い

木綿とはコットンのことで綿の繊維を指します。古くから布団に使われてきた素材です。吸湿性に優れており、寝ている間に汗をかいてもサラッとした寝心地です。

他の素材に比べると天然ゆえに肌への刺激が少なく、栽培方法にこだわったオーガニックコットンなら安心して使えます。定期的に木綿を打ち直して繊維をほぐせば、へたれても硬くなっても再びふっくらして長く使えるでしょう。

一方で吸った湿気は溜め込んでしまうため、そのままではダニやカビが繁殖しやすくなります。寝心地もベタベタして保温能力が下がってしまうのです。そうならないように、2~3日おきに干さなければいけません。ただし木綿の布団は重みがあるため、干すときだけでなく日々の上げ下ろしにも一苦労します。

木綿素材の詳しい情報はこちら。

羊毛

メリット デメリット
・吸湿性も放湿性もある
・保温能力が高い
・弾力がある
・独特の臭いがある
・ダニの温床になりやすい
・肩や腰に負担がかかりやすい

羊の毛であり「ウール」とも呼ばれています。繊維の表面が縮れていることから保温能力と弾力性が高く冬でも快適に眠れます。吸湿性だけでなく放湿性が高いのも嬉しいところです。さらに羊毛は汗によって発熱する効果もあります。

逆に多かれ少なかれ独特の臭いがするのはデメリットです。ダニが好んで近寄りやすいのも困ります。また体圧を分散する力はなく、肩や腰の部分がすぐに重みでへたれてしまうため、長く使うほど体に負担がかかりやすいでしょう。

羊毛素材の詳しい情報はこちら。

ポリエステル

メリット デメリット
・価格が安い
・重さが木綿の1/2
・吸湿性が悪い
・保温性が低い
・ダメになるのが早い

同じ綿でも最近ではポリエステルを使った布団が出回っています。木綿よりも軽いため、毎日の上げ下ろしなど取り扱いが楽です。化学繊維ですから大量生産が可能で値段も手頃です。

その代わり性能はあまり期待できません。吸湿性が悪いので湿気がこもりやすく、寝ている間に蒸れてしまいます。ダニやカビの温床にもなりやすいでしょう。保温性も低く、冬は寒いかもしれません。早ければ1年でへたれてしまうのも大きなデメリットです。

ポリエステル素材の詳しい情報はこちら。

ウレタン

メリット デメリット
・体圧を分散してくれる
・他の素材よりも丈夫
・ダニやカビが繁殖しづらい
・寝返りを打ちづらい
・通気性が悪い
・洗えない

低反発の素材として人気を集めているのがポリウレタンを使った敷布団です。ゆっくりと体の形に合わせて沈み込み、しっかりと包んでくれます。肩や腰にかかる体圧を分散してくれるので楽に寝られるでしょう。繊維状の素材に比べると丈夫で、ダニやカビが繁殖しづらいのもメリットです。

ただし低反発ゆえに寝返りを打ちづらいという欠点があります。体が沈み込んでいるため、力を入れないと寝返りを打てないのです。そのたびに眠りが浅くなったり、肩や腰に負担がかかったりします。通気性が悪くて蒸れやすく、水で変質してクリーニングができない点にも注意しましょう。

ウレタン素材の詳しい情報はこちら。

高反発素材

メリット デメリット
・体圧を分散してくれる
・素材によっては丸洗いできる
・ダニやカビが繁殖しづらい
・寝心地が硬い
・保温性が低い
・価格が高い

低反発に変わって注目を集めているのが高反発素材です。体圧の分散力はそのままに背骨をまっすぐにした状態で寝られるので寝返りを打つのも簡単です。中身はウレタンを使っているのもありますが、主流はポリエチレン樹脂をはじめとする化学繊維で丸洗いできます。カビやダニも繁殖しづらく安心です。

素材の特性から寝心地は硬く感じるでしょう。保温性も他の素材より劣ります。何よりも価格が高いため、購入する前には必ず店頭で試すのがおすすめです。

フローリングに向いている素材は?

最近の住宅はフローリングの床が多く、そこで敷布団を使うケースもあるでしょう。ただし選び方を間違ってしまうと寝心地が悪い上に、フローリングや敷布団にカビが生えてしまいます。

フローリングで使う上で重視したいのは敷布団の厚みと保温性、カビを抑える放湿性です。先ほどの素材で比較すると以下のとおりになります。

素材 木綿 羊毛 ポリエステル ウレタン 高反発素材
厚み ×
保温性 × ×
放湿性 × × ×

もちろんフローリングでそのまま敷布団を使うよりは、その下にすのこや除湿シートを敷いたり、欠点を補う敷きパットと併用すると快適に眠れるでしょう。マットレスに重ねても良さそうです。

マットレスの素材の種類

ボンネルコイル

メリット デメリット
・価格が安い
・10年以上使える
・通気性が良い
・寝心地が硬い
・体圧はかかりやすい
・一緒に寝ている人に振動が伝わりやすい

マットレスの主流でスプリング状のコイルが一つに連結しています。体を面で支えるので、どんなに大きくて重たい人でも安定して寝られるのが特徴です。コイルの部分は空気の層になっており通気性に優れています。価格が安い上に丈夫で長持ちするのも嬉しいところです。

ただし寝心地は硬めで好みが分かれます。肩や腰にかかる体圧も大きくなります。コイルが連結しているため、2人で使うと寝起きや寝返りの際に相手を起こしやすいのもデメリットでしょう。

ポケットコイル

メリット デメリット
・体圧の分散力が高い
・一緒に寝ている人に振動が伝わりにくい
・通気性が良い
・部分的にコイルがへたれやすい
・価格が高い

コイルすべてがつながっているボンネルコイルに対して、「ポケットコイル」は一つずつ独立しているのが大きな違いです。その造りからボンネルコイルの欠点を解消しています。面ではなく点で支えるので体圧の分散力が高く、振動が伝わりにくいことから一緒に寝ている人を起こす心配も軽減されるでしょう。

その代わり肩や腰など体圧が大きい部位のコイルはへたれやすく、ボンネルコイルほど長持ちはしません。製造の手間がかかるため価格も高めです。

高反発マットレス

メリット デメリット
・寝返りを打ちやすい
・清潔に使える
・持ち運びが簡単
・耐久性が低い
・価格が高い

高反発の敷布団と同様、寝返りを打ちやすく無理のない姿勢で寝られることから多くのスポーツ選手に愛用されています。様々な種類があり、東洋紡の「ブレスエアー®」のように合成樹脂を立体的に絡めて空気を取り込んだ素材が主流です。軽いので旅行先への持ち運びも簡単です。さらに丸洗いできて通気性も良いため清潔に使えます。

一方で耐久性が低くてへたれやすく、高価な割りに10年も持たないのは悩ましいところです。

まとめ

敷布団やマットレスを購入するときは、何を重視しているのか明確にすると後悔を防げます。例えば吸湿・放湿性や保温性、耐久性、寝心地、体圧などです。一つの素材だけではメリットもデメリットもあるので、欠点を補ってくれる素材と組み合わせれば満足度が高まるでしょう。例えば敷布団+マットレス、マットレス+敷きパットなどです。