不眠はツボ押しと最適な敷布団で早めの解消

不眠が続くと体調や精神の不調にもつながります。即効性のある不眠対策のひとつであるツボ押しとともに、安眠できる寝具選びのコツをこちらでご紹介しますので、ぜひ試してみてください。

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即効性のある不眠を解消できるツボ

不眠は単純に多く睡眠時間をとれば解消する、というものでもありません。精神的なもの、寝具や部屋の明るさなど環境によるものなど、原因はさまざまで、すぐに解消できるものばかりではないのが現実です。

そこで、不眠を解消するツボを試してみるのはいかがでしょうか。ツボは東洋医学に基づいたもので、世界保健機関(WHO)も人の体には頭や足、手、腰など全身に361個のツボ(東洋医学では経穴と呼ばれるもの)があると定義しています。

その361個あるツボの中で不眠解消に役立つものは、たとえば以下のものがあげられます。

・百会(ひゃくえ)

多くの経路が会うと考えられていることから、この名がつきました。頭頂部にあり、不眠以外のあらゆる悩みに用いられる万能のツボです。頭のてっぺん、少しへこんだ部分を15回程度軽く押します。中指で行うとちょうど良い力加減になります。

・安眠(あんみん)

名前のとおり、安眠に効果があるとされるツボです。耳の後ろの骨の縦方向に隆起している部分より指一本分下あたりを押します。押したときに凝りや痛みがある場合は、安眠できていない可能性があります。ポイントは骨をなぞるように、10秒ほど続けて指圧すること。

・完骨(かんこつ)

安眠のツボからさらに後頭部側へ進んだところにあります。安眠より髪の生え際に近く、へこんでいる部分です。下から上へ持ち上げるように押し、5秒程度で離す。この方法を5回ほど繰り返します。内蔵や顔への血行を良くしてくれる効果もあります。

・丹田(たんでん)

おへそから3~5cmほど下にある、交感神経のはたらきを静めるツボです。気分が高揚して眠れない日は、両手のひらを丹田に置き、気持ちを落ち着けるように精神を集中させてみましょう。ちなみに女性は右手を、男性は左手を下にして両手を重ねます。

・合谷(ごうこく)

高揚した気持ちがまだ静まらないなら、こちらも試してみてください。百会と同じく万能のツボで、自律神経を整えてくれます。手の甲に向かって人差し指の骨を辿っていくと親指の骨と合流するくぼんだ部分があり、押すと痛みが出ます。ここが合谷です。もう片方の手を上から包み込むように重ね、親指で押します。

・中衝(ちゅうしょう)

体をリラックスさせてくれるツボです。日中の眠気解消にも用いられるツボで、中指の爪の付け根から下へ少しずれたところにあります。もう片方の親指と人差し指で中指を挟むように持ち、強めに押したり揉んだりします。

・少衝(しょうしょう)

ストレス解消には小指の付け根の内側にある少衝も試してみましょう。中衝と同じく、もう片方の親指と人差し指で小指を挟み、強めに押し揉みします。

・心包区(しんほうく)

手のひらの中心にあるのが、自律神経を整えてくれる心包区です。こちらもグッと押し続けるのではなく、じっくり押し揉むのがポイントです。

・失眠(しつみん)

高揚した気分を沈めて眠気を誘ってくれます。足の裏、かかとに少しへこんだ部分があり、そこが失眠です。親指や太い棒でじっくり押したり、拳を作ってゆっくり20回程度叩くように押さえます。

・湧泉(ゆうせん)

足裏の土踏まずより少し指側にずれたところにあるのが、血行を良くして首の凝りを解消してくれるツボです。疲労回復や足の冷えにも役立ちます。足の指を思い切り曲げたときにへこむ部分を、親指で押します。

不眠解消に役立つツボを、頭にあるものから順にご紹介しました。どれもセルフで指圧できるツボです。効果がある順ではないので、ご自身の睡眠事情や悩みに合ったものを試すようにしてください。

お風呂上りなど体が適度に温まり、リラックスできているタイミングで行いましょう。

不眠解消のためにお灸でツボを刺激

指で押すのも良いですが、より効果を得たいのであればツボの上でお灸をしてみましょう。お灸はもともと人間が持っていた治癒能力を高める効果の他、ツボの上で行うことで不眠解消などの効果が期待できます。

ツボはすでにご紹介した足裏の湧泉と失眠の他にも、以下のものがお灸にぴったりです。

・鳩尾(きゅうび)

左右の肋骨が合わさる部分(みぞおちの骨のあたり)のすぐ下です。

・関元(かんげん)

おへそより下に指4本分ほど下がったところです。丹田とほぼ同じ位置にあるように思えますが、丹田はお腹の表面ではなく奥(内側)にあるツボです。

・三陰交(さんいんこう)

内側のくるぶしの中心に小指を置き、それに沿って薬指、中指、人差し指を置いていきます。人差し指のすぐ上あたりにあるのが三陰交です。

・太衝(たいしょう)

手のひらにある合谷の足バージョンと説明すると分かりやすいかもしれません。足の人差し指の骨にそって足首側へ進んでいき、親指の骨と合流するくぼんだ部分です。こちらも手のツボ同様、押すと痛みがあり分かりやすいです。

お灸を実際に行う際は、ドラッグストアなどで販売されている初心者に優しいものを利用しましょう。自己流では火傷などのトラブルがありますが、市販のもの(とくにシールで貼り付けるタイプ)は安全性が考えられているため、リスクが軽減されます。

お灸は熱さが効果に直結するわけではありません。熱すぎると感じたら我慢せず、すぐに中断しましょう。また、妊婦さんや子供には使用しないなど、商品の説明書に従って正しく行ってください。

不眠解消や安眠のツボ押しは良い寝具の上で

ツボ押しの効果は、あくまで血行を改善したり、自律神経や交感神経、副交感神経のはたらきを正常なものになるようはたらきかけるものです。最終的に不眠症を解消するには、眠る環境や習慣も重要だということを忘れないでください。

規則正しい生活はもちろん、睡眠環境も見直していただきたいポイントです。いくら自律神経や交感神経などのはたらきを改善しても、眠る環境が悪ければ結局は安眠できず、ストレスや不眠につながるためです。

たとえば体圧分散がきちんとできるマットレスや敷布団を選ぶだけでも寝心地がかなり変わります。背骨のS字カーブがきれいに維持できるか、寝返りがうちやすいほど安定性があるか、何より試しに横になってみて寝心地が良いと感じるかをチェックしましょう。

睡眠中の汗の対策も重要です。とくに汗っかきの方は、通気性が良く余計な湿気がこもりにくいタイプがおすすめです。

ツボ押しは体が緊張したり、体勢がゆがんでいては、正しい位置を押さえられないこともあります。ツボ押しの効果を高めるためにも、正しい位置を押さえるためにも、寝具の質にもこだわってみてください。

まとめ

不眠解消には、頭や手足にあるツボを押してみるのも手軽でおすすめです。さらに睡眠環境を整える質の良い寝具も加われば、「しっかり寝たのに疲れが取れない」状態も解消できます。

せっかくツボ押しで寝つきを良くするなら、眠りそのものの質を高める敷布団や掛け布団も見直してみてはいかがでしょうか。