体を温める食べ物で冷え性を改善しよう
体を冷やす食べ物としては、白砂糖や小麦粉のように白く精製されたもの、マンゴーやパイナップルなど南国生まれの果物、トマトやキュウリなど夏に旬を迎える野菜があります。技術の向上によって、以前に比べると日本人はこれらの食べ物を年中食べるようになりました。
他にも食生活によって体が冷える場合もあります。例えば朝食を抜いたり、お菓子を食事代わりにしたり、ファーストフードやインスタント食品のように偏った食品を口にする機会が多かったりするなどです。体内で熱を作り出すための栄養を十分に摂れず、体が温まりません。食べ過ぎや水分の摂り過ぎも体を冷やす原因です。
逆に体を温める食べ物にはゴボウやニンジンなど地中で育つ根菜、りんごやソバなど寒い地域の作物、白菜やねぎなど冬に旬を迎える野菜があります。さらにチーズやキムチのように発酵させた食品も体を温めてくれる効果があります。体を冷やす食べ物も塩漬けや加熱によって体を温めてくれる食べ物に変えられるのです。
特にショウガは冷え症の強い味方です。「ジンゲロール」や「ショウガオール」といった成分が血行や血流を促し、体がポカポカするでしょう。ただし生のショウガは発汗を促し、却って体温を下げる働きもあります。加熱や乾燥でショウガオールを増やしてから使うのがおすすめです。
作り方は生のショウガ1かけを1~2㎜くらいにスライスし、電子レンジで5分ほど加熱します。加熱し過ぎるとショウガから発火する恐れがあるので時々様子を見ます。ザルやキッチンペーパーに重ならないよう並べて、1~2日天日干しすれば完成です。そのまま温かい飲み物に浮かべたり、刻んで料理に加えたりします。
冷え性の人におすすめのレシピ
体を温めてくれる食べ物で真っ先に思い浮かぶのが「鍋」です。特に寒い季節は鍋に入れると美味しい野菜が旬を迎えます。その中でも冷え性を改善してくれそうな鍋を3つ紹介します。
・キムチ鍋
冬が旬の白菜を塩とトウガラシで漬け込んだキムチを使った鍋です。加熱して食べると体を温める効果を期待できます。さらにこのレシピは同じく発酵食品の味噌を使っています。
材料は4人前で豚肉の薄切りが200g、白菜キムチが200g、木綿豆腐が1丁、にらが1束です。他に好みの野菜を加えてもいいでしょう。スープは市販の鶏がらスープや中華スープの素を使い、4カップ分用意します。そこに大さじ1ずつの酒と醤油、30gの田舎味噌を足します。
食べやすい大きさに切った材料を鍋に入れ、スープを注いで加熱します。豚肉に火が通ったら完成です。〆にご飯や麺類を入れてスープを吸わせれば、体を温める成分を余さず摂取できます。
・洋風ちゃんこ鍋
具材にショウガと味噌入りの肉団子を加えたコンソメ仕立ての洋風ちゃんこ鍋です。
まずは肉団子のタネを作ります。材料は4人前で豚ひき肉400g、玉ねぎ1/4個、シイタケの軸が5~6本分です。玉ねぎとシイタケの軸はみじん切りにします。これに片栗粉大さじ3、すり下ろしたショウガ(生でも乾燥でも)大さじ2、味噌と顆粒の中華だしの素、料理酒が大さじ1ずつ、塩コショウ少々を混ぜて練ります。
次にスープです。水800mlに固形のコンソメ3個(顆粒なら小さじ7~8杯)を溶かし、みりんと料理酒を大さじ3~4ずつ、砂糖大さじ1と醤油大さじ2を加えます。
他の具材はお好みで。肉団子に使った玉ねぎやシイタケの残り、キャベツ、青物野菜などです。さらにちゃんこ鍋には欠かせない油揚げ3枚と豆腐1丁を食べやすい大きさに切ります。
鍋に青物以外の野菜と油揚げを入れ、スープを入れて煮立てます。野菜が柔らかなくなったら肉団子のタネをスプーンで一口大に丸めて加えます。火が通るタイミングで残りの青物野菜と豆腐を入れて、もう一度サッと煮立てれば完成です。
・簡単サムゲタン
一人暮らし向けに体が簡単に温まるレシピです。サムゲタンといえば鶏を丸ごと使いますが、コンビニで販売されているサラダチキンを利用します。
まずは鍋に600mlの水と小さじ1の鶏ガラスープの素、大さじ1の酒、塩少々を入れます。そこへ薄切りにしたショウガ1/4かけと、みじん切りにしたニンニク1かけを加えます。とろみ付けには大さじ1のご飯を使いましょう。最後にサラダチキン1パックを食べやすい大きさにほぐして入れます。
時々アクを取り除きながら中火で20分ほど煮込んだら完成です。炊飯器を使うともっと簡単にできます。お好みで栗の甘露煮を加えながら煮込んだり、最後にねぎを散らしたりしても美味しいでしょう。
冷え性の人が寝る前に飲みたい体を温める飲み物とは
寝る前に温かい飲み物をカップ1杯口にすれば、冷えを感じないでぐっすり眠れるかもしれません。ただし温かい飲み物でも体を冷やしてしまうものがあります。例えばコーヒーです。カフェインが体を冷やしてしまいます。緑茶も同様です。
同じカフェイン入りでも「紅茶」は発酵させているので体を温める効果があります。冷え性には乾燥ショウガの薄切りを浮かべてジンジャーティーにするのがおすすめです。甘味が欲しい時は、体を冷やさないハチミツや黒糖を加えましょう。カフェインを避けたければ「ほうじ茶」が安心です。
「ココア」も効果的です。「テオプロミン」という成分が血管を拡張して血流を促進してくれます。さらに自律神経を整えてくれるので寝る前の1杯にぴったりです。ショウガやシナモンを加えるとスパイシーな飲み口になります。
赤ワインで作る「ホットワイン」もポリフェノールが体を温めてくれます。風味付けにはシナモンやクローブ、カルダモン、スターアニスなどのスパイスを。沸騰させるとアルコールが飛んで、お酒が苦手な人も飲みやすくなるでしょう。
既に歯みがきを終えて寝るだけなら「白湯」という選択肢もあります。沸騰させたお湯を体温より少し高い程度まで冷ますだけです。簡単に体温と代謝を高めてくれます。
ただし、いずれも飲み過ぎると尿意を感じて睡眠中に目が覚めてしまうので、ほどほどにしましょう。
まとめ
食べ物や飲み物で内側から体を温めると、隅々まで血流が行き渡って冷え性の改善が期待されます。もちろん、そのままでは体外に熱が放出されて冷えるだけです。寝る時は温かい布団をかけて外側からも冷やさないようにしましょう。