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疲れて頭痛がする原因
疲れは頭痛の原因の1つですが、すべての頭痛が疲れによって引き起こされるわけではありません。なかには深刻な病気につながるものもあるので、本当に疲れによって頭痛が起こっているのかどうか確認する必要があります。頭痛の原因を見極めるためにも、頭痛の種類について見ていきましょう。
頭痛はまず「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分けることができます。それでは、一次性頭痛から詳しく確認していきましょう。
頭痛の原因となりうる病気を持っているわけではないのに、慢性的に繰り返される頭痛を一次性頭痛といいます。一次性頭痛は、「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3種類に大きく分けることができます。
片頭痛
20代から40代の女性に特に多く見られる種類の頭痛で、ズキズキと脈打つような強い痛みが特徴です。人によっては光や音に敏感になる、吐き気を催すなど、ほかの症状も併発することがあります。
片頭痛が起こる原因やメカニズムは、実ははっきりわかっていません。しかし、ストレスや疲労、女性ホルモンの作用によって、頭にある血管が広がり、その周囲が押さえつけられたり炎症を起こしたりすることで発生するのではないかと考えられています。
緊張型頭痛
一次性頭痛のうち最も多く見られる緊張型頭痛。緊張型頭痛は、首や頭の血液の流れが悪くなり、筋肉が緊張してしまうことで起こるので、老若男女問わず発生する可能性があります。
血行が悪くなる原因としては、精神的なストレスを受けたり、長時間デスクワークを行なうなどして同じ姿勢をとり続けたりしたことが挙げられます。後頭部を中心に、頭全体が締め付けられるような鈍い痛みが一日中続き、首や肩のコリを伴うことが多いのが特徴です。
群発頭痛
目の後ろを通る内頚動脈が広がることで起こる炎症が痛みの原因といわれている群発頭痛は、それほど患者が多いわけではありませんが、患者の多くは男性です。
群発頭痛は、目をえぐられるような激しい痛みが1~2時間続くのが特徴で、一度症状が出るようになると、ほぼ毎日同じ時間帯に痛みが発生するようになります。内頚動脈が広がる原因やメカニズムはまだ解明されていませんが、体内時計が関係している可能性が考えられています。
一方、何らかの病気が原因で発生する頭痛を「二次性頭痛」といいます。お酒を飲んだときに起こる二日酔いでの頭痛も二次性頭痛に入ります。
二日酔いの場合、アルコールが体内で変化してできたアセトアルデヒドが原因で頭痛が起こります。アセトアルデヒドは時間がたつと体内で代謝されて二酸化炭素や水になるので、二日酔いの頭痛もそれに伴って解消します。
しかし、今までに経験したことがないほど強い痛みが急激に出た場合や、身体のしびれや麻痺、けいれん、吐き気や高熱も併発している場合は、迷わず病院を受診してください。これらのケースの場合、クモ膜下出血や脳腫瘍といった重大な病気の症状の可能性があります。
以上のことから、疲れによって引き起こされる頭痛の多くは、「片頭痛」または「緊張型頭痛」といえるでしょう。病気でもなく、目をえぐるような痛みではないのであれば、疲れをとることで頭痛の症状が和らぐ可能性があるのです。
疲れて頭痛がするときに良い食べ物
では、疲れて頭痛がするときには、どのような対処をすれば症状が和らぐのでしょうか。その方法の1つが、疲れによる頭痛に効果が期待できる食べ物を食べること。特に、次の栄養素を豊富に含む食べ物を積極的に食事に取り入れましょう。
ビタミンB2
十分に食べ物を食べているのに疲れがたまりやすいという人は、食べ物から効率よくエネルギーを作り出すことができていないのかもしれません。身体を動かすためのエネルギーは、細胞の中にあるミトコンドリアという部分で作られるのですが、ビタミンB2はそのミトコンドリアの働きを良くして、エネルギー生産を促進する働きがあるのです。
ビタミンB2を多く含む食品
レバー、鶏肉、卵、大豆、乳製品、ホウレンソウなどの葉野菜
マグネシウム
マグネシウムには、血管の収縮を調節したり、神経を安定させたりする作用があります。血液の流れを良くし、緊張型頭痛の原因になる首や肩などのコリを予防してくれます。
マグネシウムを多く含む食品
大豆製品、ひじきやのりなどの海藻類
ビタミンE
ビタミンEには血行を良くする作用があり、緊張型頭痛の原因になる首や肩のコリを防いでくれます。
また、抗酸化作用もあるため、身体的・精神的ストレスを受けたときに多く発生する活性酸素を除去してくれる働きも期待できます。活性酸素は老化を促進し、疲れもたまりやすくなるので、疲れからくる頭痛を防ぐためには、ビタミンEはぜひとりたい栄養素ですね。
ビタミンEを多く含む食品
緑黄色野菜、豆類、穀類
カフェイン
片頭痛は頭の血管が広がることによって起こると考えられています。つらい片頭痛は、血管を収縮させる作用をもつカフェインで解決しましょう。コーヒーであれば、1日に2~3杯程度が適量です。
仕事や勉強の合間に、休憩もかねてコーヒーなどのカフェインを含む飲み物を楽しみましょう。ただし、カフェインをとりすぎると、かえって頭痛を引き起こしかねませんので注意してくださいね。
カフェインを含む食品
コーヒー、紅茶、緑茶
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は、DHAやEPAに代表される脂質です。オメガ3脂肪酸には抗炎症作用があるので、頭痛の原因となる脳での炎症を抑えてくれる働きをしてくれます。
オメガ3脂肪酸を多く含む食品
サケやアジなどの魚類、エゴマ油やアマニ油(EPAそのものではなく、体内でEPAに変わるαリノレン酸が豊富)
疲れて頭痛がするなら良質な睡眠を!
疲れからくる頭痛を和らげるには、頭痛に効果が期待できる食べ物を食べるのも1つの手段ですが、良質な睡眠を十分にとることも大切です。
睡眠時間が足りなかったり、なかなか寝付けなかったり、睡眠が浅かったりと、睡眠に関するトラブルを抱えている人は、食生活の改善と並行して、安眠できるような環境を整えるようにしましょう。
適切な睡眠時間は個人差がありますので、一概にこのくらいが良いとは断言できません。しかし、一般的に脳は起きてから4時間後が最も働きが良いとされており、この時間に眠くなるようであれば、睡眠不足である可能性が高いでしょう。寝る直前の食事や入浴を避け、早めに布団に入るように気を付けるとよいですね。
また、寝るときの温度も快適な眠りにつくためには重要な要素です。夏は26℃前後、冬は18℃前後が適温とされているので、エアコンなどで適切な温度にしておきましょう。
さらに、部屋の照明は常夜灯モード(豆球モード)にするか、完全に消灯しましょう。眠る前にスマートフォンやパソコンなどの明るい光を浴びるのも避けたほうが良いですね。
そして、自分の身体にフィットする寝具を選ぶことも大切です。特に敷布団やマットレスは、寝ている間の自分の姿勢をサポートしてくれるアイテムです。
身体に合っていない寝具を選んでしまうと、寝ている間も無理な姿勢をとり続けることになるので、かえって疲れがたまりやすくなってしまいます。一定の方向を向いて寝ていても、寝返りを打っても、身体が無理な体勢にならないものを選びましょう。
まとめ
疲れからくる頭痛は、原因となっている疲れをとることで和らげることができます。疲れに効く食べ物は毎日の生活に取り入れやすいので、ぜひ試してみてください。また、毎日の疲れを癒すには、日々の良質な睡眠が重要。マットレスや敷布団の見直しも忘れずに行ってくださいね。