マットレスにすのこを組み合わせるメリットと使い方

マットレスの下にカビが生えてしまうときは「すのこ」を敷くと防ぎやすくなります。すのこ状のベッドフレームもあるほど人気です。メリットやデメリット、完璧にカビを防ぐため手入れ方法などを紹介します。

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マットレスの下にすのこを敷いてカビ防止

マットレスの下にカビが生えやすいのは、カビが生える好条件が揃っているからです。そもそもカビの原因菌は普段から空中に漂っています。これが目に見える形で成長するには、温度・湿度・栄養という3つの条件が揃わなければいけません。

温度は25~30℃、湿度は70%以上が目安です。寝ている間は体温がマットレスに伝わり、コップ1杯ほど、つまり200mlの汗をかきます。汗は栄養分が豊富です。これらがカビにとっては好条件なのです。

何らかの事情でベッドフレームを使わずマットレスを床に直接置いていると、寝ている間に溜まった湿気はこもったままになります。

冬場のように温度が下がれば結露になって床を湿らせたり濡らしたりするでしょう。そのまま敷きっぱなしにしていると、カビはますます成長してマットレスや床を汚してしまいます。

これを防ぐには起床後に布団を上げて、マットレスを立てかけたり時々風通しの良いところで干したりするのが効果的です。床が濡れていたら拭き取りましょう。

けれども毎日のことになると面倒ですし、マットレスは重みがあるので動かすのはもちろん、立てかけるだけで一苦労です。

すのこは2~3本の軸となる太い角材に対して直角に薄い板を複数枚打ちつけています。この構造によりマットレスの下に敷くと隙間ができて、そこから溜まった湿気が逃げやすくなるのです。

また木で作られているすのこなら、それ自体に吸湿性があります。これなら毎日マットレスを立てかけなくてもカビは生えにくくなるでしょう。

ホームセンターでは様々なサイズで販売されており、マットレス用の長いタイプもあります。また折りたためるようになっていたり、軸を結束バンドにして丸められたりするすのこもあります。

すのこベッドの上にマットレス

ベッドフレームにマットレスを置くのであれば、接地面の板がすのこ状になっている「すのこベッド」がおすすめです。床にすのこを敷くのと同様、マットレスに溜まった湿気を逃がしてカビが生えるのを防いでくれます。

同じ木製でも、材質によって特性や値段が異なります。例えばヒノキ(檜)は吸湿性や放湿性に優れ、水に強く抗菌作用もあります。カビを生やさない点では最も優れているでしょう。

他にも香りにはリラックス効果や防虫効果もあり、消臭や脱臭も期待できます。その分、他の素材よりも値段は高めで3~4万円台が相場です。

お手頃な素材としては2万円前後で購入できる桐があります。吸湿性や放湿性が高く、軽くて狂いにくいのが特徴です。反りやたわみ、ガタつきの心配を抑えられます。

もっと安い素材になると杉やパイン材などがあり、前者は吸湿性や放湿性、後者は香りの良さが魅力です。折り畳み式のすのこベッドもあり、布団が干せて、使わないときはコンパクトに収納できます。

選ぶときのポイントとして、吸湿性や放湿性を重視するなら天然木をそのまま使用した「無垢材」であるのが理想です。また値段はダブルのような大型になるほど跳ね上がります。すのこの下が収納スペースになっているのは、そこに湿気が溜まってカビが生える恐れがあるので避けたほうが無難です。

たとえ収納スペースがなくて、ただの空間になっていてもカビを防ぐなら何も置かないようにします。通気性を確保するためには最低でも15㎝ほどの高さの空間を確保したいところです。

すのこベッドの唯一のデメリットは湿気だけでなく熱も逃げやすいため、一般的な一枚板のベッドよりも寒く感じるところです。床からの冷気もダイレクトに伝わってきます。すのこベッドの下に毛足が長くて保温性に優れているラグマットやカーペットを敷くと多少和らげることができるでしょう。

また、すのこベッドの下だけでなく、すのこベッドで使用するマットレスや敷布団自体、温かいタイプのものを選んでおくのもよいでしょう。

マットレスにすのこを使う場合のお手入れ方法


いくらすのこやすのこベッドを使っていても、常にマットレスを乗せたまま放置しているとカビが生えてしまいます。すのことマットレスが接している箇所は湿気が逃げにくいからです。

かつてカビが生えやすい季節といえば「梅雨」の時期でしたが、現在では建物の気密性が向上したため湿気がこもりやすく、年中カビのリスクにさらされています。気温が下がって結露が生じやすい冬は要注意ですし、他の季節も条件さえ揃えば密かにカビは成長し続けています。

カビを生やさないためには、こまめに布団を上げてすのこやマットレスを干し、窓を開けるなどして部屋の換気をします。干すときは陰干しが原則で直射日光に当てるのは厳禁です。特にすのこは変色や割れ・反りなど素材が変質する原因になります。

こうした手入れが難しいようであればすのことマットレスの間に除湿シートを敷くのも効果的です。通気性を良くするため網目状になった除湿シートもあります。

ときには除湿器を置いてマットレス周りの湿気を除去しましょう。カビの原因菌はアルコールが苦手なので、市販の除菌スプレーやエタノールなどで定期的にすのこやマットレスを拭くのも効果的です。

もしカビが生えてしまったら、すのこもマットレスもまずは表面のカビを取り除きます。使うのは除菌スプレーやエタノール、逆性石けん(塩化ベンザルコニウム)などカビの殺菌効果があるものです。

使うときは一度布に吹き付けます。直接カビに吹き付けると胞子が舞って広がったり吸い込んでしまったりする恐れがあるからです。そして叩く要領で拭き取ります。最後はドライヤーや陰干しなどで十分に乾燥させましょう。

どうしても黒い跡が残って気になるようであれば塩素系漂白剤(キッチンハイターやカビキラー)がおすすめです。色落ちの可能性もあるので最初は目立たない箇所で試します。

すのこであればやすりをかけて落とす方法もあります。最初の拭き取りの時点でほとんどのカビは死滅していますが、どうしても気になるようであればクリーニング専門の業者に相談してみましょう。カビのひどさによっては買い替えたほうが早いかもしれません。

まとめ

寝ている間、マットレスにはカビの発生に必要な条件が揃ってしまいます。すのこによって通気性を確保すればリスクは軽減されるでしょう。ただし過信は禁物で、ときにはすのこやマットレスを干すなどの手入れが必要です。万が一カビが生えてしまったら殺菌効果のあるスプレーで拭き取ると除去できます。