目次
羊毛(ウール)素材の敷布団の特徴
敷布団の素材の1つである羊毛。
敷布団に使われる他の素材と比較して、どのような特徴があるのでしょうか。4つの特徴から、羊毛を敷布団として使用するメリットを知りましょう。
吸湿発散性がある
羊毛を素材にした敷布団の特徴は、吸湿発散性に優れていることです。
寝ている間、人は思っている以上に汗をかいていますが、羊毛は吸湿性が高いので、就寝中の汗をしっかりと吸収してくれます。
さらに発散性があるのも羊毛の特徴。
吸収した水分はそのままではなく、自然に発散されていきます。そのため、就寝中に快適に睡眠がとれるだけでなく、起床時も汗でべた付くことなく快適に目覚めることができます。
同じく天然素材である木綿も吸湿性がありますが、羊毛のように自然に水分を放出する機能は弱め。メンテナンスを簡単に済ませてしまいたいなら羊毛がおすすめです。
温かみがある
羊毛は温かいことでも知られています。保温性があることから、敷布団のほか、コートなどにも利用されることが多いです。
羊毛の温かさの理由は、クリンプといわれる羊毛にみられる縮れ。この縮れが絡み合うことによって、羊毛は多くの空気を含むようになります。
この羊毛に含まれた空気が断熱の役割を果たし、冷たい空気をできるだけ取り込まないようにしているのです。
また羊毛はもともと熱伝導性が低いという特性もあり、温かさを持続させる特徴が十分に備わっています。
弾力がある
羊毛特有の縮れは、弾力にも役立てられています。縮れが絡み合うことで、一方向にかかる圧力を分散し、衝撃を和らげるためです。適度な弾力は、体の一部への過度な負担を抑えることができます。
燃えにくい
羊毛の主な成分はたんぱく質。
火をつけると焦げて黒くはなりますが、火が燃え広がることなく自然におさまります。燃えにくいので、子どもがいる家庭など安全面に配慮したい場合にも使用するメリットがあります。
敷布団で使用される羊毛の種類
使用しはじめてから6ヶ月から1年で羊毛はへたりだすといわれています。
へたっていても特に問題はなく、寿命は7年と長いのが羊毛の特徴。しかしどの敷布団も羊毛の特徴をそのまま受け継ぐわけではありません。
敷布団で使われる羊毛の配合によっては思うような効果が期待できなかったり、寿命が短くなったりしてしまうこともあります。敷布団で使われる羊毛の種類を知って購入の際の選択に活かしましょう。
羊毛100%
敷布団によく使われる羊毛と比べて柔らかさがあるため、あまりメインで使われることはありません。また、羊毛のみだとどうしてもコストがかかってしまいます。そのため、羊毛100%の敷布団は、ほとんど十分な厚さがありません。
厚みでいうと2~3cm程度になるため、クッション性に乏しく、からだを痛めてしまう可能性があります。羊毛100%の敷布団を利用する場合は、単体で使用することはおすすめしません。
下にクッション性の高いマットレスを敷いて併用するのが、羊毛100%の敷布団をうまく使うポイントです。
羊毛と別素材をミックス
基本的に羊毛100%、固綿にウレタンなどの全く違う素材を使うのがこのタイプ。
羊毛のへたりを抑えるという意味で別の素材がミックスされています。ただし、素材によっては結局羊毛のへたりを抑えられないこともあり、希少価値は低いです。
羊毛混のサンドイッチ型
羊毛として販売されている敷布団の多くはこの羊毛混のサンドイッチ型です。マットレスの代わりとなる固わたの素材を、羊毛が混じった繊維でサンドイッチのように挟んでしまいます。
羊毛100%と違い、他の繊維が混ざっているので、低コストで作れるのがポイントです。
ただしその分、羊毛の配合量はどうしても低くなってしまいます。
羊毛の割合が減ってしまうので、羊毛本来の良さを十分に生かすことができません。特に吸湿性の面で不満を感じることもあるでしょう。
羊毛の敷布団で気を付けることって?
高い吸湿性にメンテナンスの楽さなど、メリットも多い羊毛の敷布団。
しかし誤った使い方を続けたり、誤った手入れをしたりしてしまうと快適に長く使い続けることができません。羊毛の敷布団を使うときに気をつけたいポイント3つを紹介します。
臭いが気になることがある
羊毛は動物性の繊維で、表面の脂肪から臭いが発せられます。無臭であることはなく、わずかでも臭いを感じるのが羊毛です。人によってはそれほどでなくても、少しきついと感じる人もいます。
羊毛は羊の種類や収穫される国によって多少に臭いの差があるので、いくつか臭いを確かめて自分に合うものを探しておくと安心です。
また、臭いは羊毛に水分が含まれた状態でずっと放置しておくと強くなります。
いくら日々のメンテナンスは必要ないといったものの、定期的にメンテナンスするようにしましょう。
天日干しには注意
素材によっては天日干しをしたほうがよいこともありますが、羊毛の敷布団は必要ありません。
外に干す場合も陰干しで十分です。仮に日光にさらしてしまうと変色してしまう恐れがあります。
また、洗濯にも要注意です。羊毛は洗濯をすると縮む性質があるので、洗濯前と使い心地が変わり使用できなくなる可能性があります。
サラサラしていてもクッション性は十分でない
吸湿性が高く夏場もサラサラしている羊毛ですが、クッション性はあまりありません。
理由は、羊毛利用の敷布団は薄いものが多いため。
クッション性がないため、羊毛の敷布団のほかにクッション性の高いマットレスなどとの併用が必要です。羊毛を利用した敷布団を利用する場合は、合わせて下に敷くものも考えていく必要があります。
まとめ
羊毛には他の素材にはみられない、吸湿発散性、保温性の高さがあります。心地よい睡眠や肌触りのよさを求めるなら羊毛がうってつけです。
しかし、どうしてもコストがかかることから羊毛をメインにした敷布団は薄くなってしまいがち。羊毛の敷布団の薄さを補えるマットレスなどとの併用がポイントです。