ウレタンの敷布団には実はこんな特徴が…!自分にあった敷布団を選ぶには

低反発の枕で一気に注目を集めた、ウレタン素材。 身体の重みをしっかり受け止めて安眠を誘ってくれるので、敷布団の素材としても人気が出ています。 ただしウレタンの特徴を理解しておかないと、せっかくの寝具をダメにしてしまうかも。 敷き布団にウレタンを使う利点や使い方について、まとめてご紹介していきましょう。

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ウレタン敷布団を選ぶメリットは?

「ウレタン」とは合成樹脂の内部に気泡を入れて人工的に作った、海綿のように不思議な感触の素材のこと。

別名「プラスチックフォーム」や「合成樹脂発泡体」、「海綿状プラスチック」と呼ばれることもあります。ソファやラグマットなどのさまざまな家具にも使われています。

ウレタンはフワフワでありながら、合成樹脂特有のしっかりとした強度があるのが特徴。

敷き布団に使うことで、他の素材にはない次のようなメリットがあります。

体圧分散ができる

敷布団が体の重みで沈んでしまうと、背骨などに負荷がかかって寝にくくなってしまいます。

そのような寝具の方にはウレタンの敷布団がおすすめ。表面がボコボコに加工されたプロファイルウレタンの敷布団は特に弾力性が高く、とても寝心地の良い、快眠効果の高い敷布団です。

プロファイルウレタンの敷布団は体圧分散力に優れているため、背骨から頭部に向けてS字カーブを描いた最適な寝姿勢を維持することが可能です。

低反発にも高反発にも、部分的に強度を変えることができるため、人間の体の形にピッタリとフィットします。

耐久性に優れている

綿などの天然素材は繰り返し重圧を受けているとつぶれてしまうのですが、耐久性に優れたウレタンは経年劣化が少なく、クッション性を長期間維持できます。

雑菌やダニなどが繁殖しにくい

ウレタン自体は人工的に合成された成分なのでダニやカビ、雑菌などのエサになりにくいです。

綿ホコリも起きないので、衛生的に使えるのも魅力の一つ。天然素材よりも防ダニ防菌加工がしやすいのでアレルギーリスクも低く、デリケートな人でも安心して使うことができます。

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ウレタン敷布団にデメリットはある?

もちろんウレタンは万能ではありません。

人工物だからこそ、ウレタン敷布団には次のような使いにくさがあります。

水に弱い

ウレタン素材は水に弱く、濡れてしまうと完全に乾くまでにかなりの時間がかかるというデメリットが。

綿やポリエステルなどの人工綿と比べて、丸洗いできないぶん衛生的ではないと指摘されています。

寝返りがうちにくい

ウレタンは弾力性に優れているだけに力を吸収してしまい、寝返りが打ちにくい傾向があります。そのため寝苦しかったり、起きたときに肩や腰などに痛みを感じたりする人も多いのです。

蒸れやすい

水に弱く乾きにくいということは通気性が悪く、熱や汗がこもりやすいということ。

特に暑い夏は蒸れて寝苦しくなりますし、就寝中にかいた汗で濡れてしまうので、定期的に風を通すなどのメンテナンスをしないとカビなどの温床になってしまうかもしれません。

その敷き布団を快適と感じるか、寝苦しいと感じるかは個人差が大きいのですが、寝具の素材として優秀だからこそ、使い方を間違えてしまうとデメリットが際立ってしまうのがウレタン素材の困ったところ。

素材のもつ特性をよく理解して、ウレタン敷布団を上手に使いましょう。

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ウレタン敷布団を長持ちさせるには?

私たち人間は寝ているときにたくさん汗をかくので、毎日使う敷布団は見た目がきれいなようでも、内部は結構汚れてしまいます。

布団の汚れは気分的にも良くありませんし、アレルギーや喘息の原因になるリスクもあるので衛生的に使いたいものですが、ウレタン敷布団で一番困るのは、水に弱いことでしょう。

家庭で丸ごと洗濯はできませんし、ウレタンは水に濡れると急激に劣化が進むので、布団のクリーニングを請け負う業者でも引き受け先があまりないのです。

ドライ溶剤によって変質してしまうので、ウレタン素材はドライクリーニングも無理。

そのため防ダニ抗菌加工の効果が経年劣化で切れてしまうと、ウレタン敷布団はかなり不衛生な状態になり、本来耐久性が良いはずの布団をわずか数年で処分することに。

ウレタン敷布団の寿命は商品によっても違いますが、上手に使えば5~10年程度は充分ベストな状態で使えます。

長持ちさせて使いたいのであれば、ウレタン敷布団は日頃からきれいに使うことが第一。

布団の上には必ずシーツやパッドを敷き、できるだけ汚れがウレタンにつかないように工夫をして使いましょう。

もちろん、シーツやパッドはこまめに洗濯をすることが大事です。

カバーを取り外すことができず、洗濯ができないのに汚してしまったという場合には、中性洗剤を薄めた液を染み込ませたタオルで拭くという手もあります。

このときも硬めに絞って、しっかりタオルの水を切ってからメンテナンスをしましょう。

水分による劣化を防ぐためにも、できるだけ湿気を取り除く使い方をすることも必要です。

ウレタンなどの人工素材は紫外線にも弱いので、綿布団のように天日干しを繰り返すのも寿命を縮める原因。

寝汗がひどい人の場合は、敷布団の下にスノコを敷くか、除湿シートを敷いて使うといいでしょう。

ウレタン敷布団は綿などと比べて重いので動かしにくいのですが、朝起きたら壁などにマットを立てておくのも効果的。全体に風が通り、夜の間にこもった湿気が抜けますので、劣化が少なく、布団が長持ちするのです。

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まとめ

私たち人間にとって睡眠は、日中受けたダメージを修復して翌日の活力を養うためにとても大事なもの。

たっぷりと休息をとり健康を維持するためにも、適正な寝姿勢をキープできる、快適な敷布団を選んでいく必要があります。

敷布団にはさまざまな素材を使った商品があり、それぞれにメリットデメリットがありますが、その中でもウレタンは総じて敷布団としてのメリットの高い素材です。

耐久性が良く寿命が長いのもウレタン敷布団の利点ですので、できるだけ劣化を抑える使い方の工夫をして、生活に取り入れましょう。

ただし、ウレタンといえどもいずれは性能が低下してしまいます。

それまでは快適だったのになんだか寝苦しく感じてしまう場合や、押した後に形が戻りにくくなってしまったときには、そろそろ布団を買い替える時期かもしれません。

ウレタンの場合は劣化が進むと表面がベタベタとしたり、粉状に崩れてカバーから漏れ出したりするというトラブルが起きるので気を付けましょう。

ある程度の年数がたってウレタン敷布団がへたれてきた場合には、それが寿命と割り切って、新しい布団の購入も検討していきましょう。