購入前に要確認!ポリエステル素材の敷布団の利点と弱点

敷布団は素材により値段や使い心地が大きく異なり、高価な素材も安価な素材も一長一短あります。素材による特徴を理解した上で選ぶことが大事です。 ここでは、ポリエステルの敷布団について特徴と家庭での洗い方を解説していきます。

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ポリエステルの敷布団が多く選ばれる理由は?

敷布団の素材としては、一昔前までは綿が主流でした。しかし、現在ではポリエステルの敷布団がかなり多く出回っています。

量販店や通販で安く買える敷布団のほとんどはポリエステル製です。綿をメインの素材として使用している敷布団でも、ポリエステルを混ぜて使っているケースがよく見られます。

多くの人がポリエステルの敷布団を選ぶ分かりやすい理由は、価格が安いためでしょう。ポリエステル製の敷布団は綿の敷布団と比べて安価です。

綿は天然の素材を原料としているのに対して、ポリエステルは化学的に合成して作ります。天然の素材を使用するとコストがかさむため、製品価格も高くなることが多いです。

ポリエステルなら天然の素材を使用しないため、リーズナブルな価格でそこそこ良質な製品を提供できます。価格を重視して敷布団を選ぶなら、ポリエステルの敷布団に軍配が上がるでしょう。

値段だけでなく、使い心地も綿の敷布団とポリエステルの敷布団とではかなり違います。ポリエステルは綿よりも膨らみやすい素材です。

中に詰める量が少なくて済むため、その分だけ綿の敷布団よりも軽くなります。両方の素材の敷布団を持ち上げて比べてみると、重さの違いがはっきりと分かるでしょう。

ポリエステルの敷布団は綿の敷布団の半分くらいの重さしかありません。敷布団を干すときにはかなり楽です。

ポリエステルは膨らみやすいことから、クッション性も高く、ふんわりしています。体重がかかる部分もへたり込みにくく、耐久性も高いです。

綿ぼこりが気になる人にもポリエステルの敷布団は人気があります。干した布団を叩いてみると、綿の敷布団は綿ぼこりがたくさん舞いますが、ポリエステルの敷布団は叩いてもほとんど綿ぼこりは出ません。

ポリエステルは綿よりも繊維が太いため、ホコリが出にくいメリットもあるのです。ポリエステルの敷布団を使っていれば、部屋の中の空気も綺麗に保てます。

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しかしポリエステルにはこんな弱点が…

ポリエステルの敷布団は安価でメリットが多いですが、購入する際には弱点も把握しておきましょう。

ポリエステルは化学繊維であるため、綿や羊毛の布団と比べて吸湿性が低いです。ほとんど湿気を吸いません。通気性が悪いこともポリエステルのデメリットです。

湿度が高い日には、ポリエステルの敷布団は蒸れることが少なくありません。夏場の暑い時期に蒸れた状態が長く続くとカビが生えることもあります。

暑いと汗もかきやすいため、夏場にポリエステルの敷布団を使って寝ると、やや不衛生な環境になってしまうかも知れません。

また、中綿に羽毛を使用していて生地にポリエステルを使っている布団は、ダウンプルーフ加工を施していることが多いです。

中の羽毛が外に出て来ないようにするため、ポリエステルの繊維を非常に狭くする加工方法で、これが蒸れを助長することもあります。

ポリエステルは保湿力も弱いです。冬の寒い時期には、ある程度水分を含むことで布団が温まることが多いですが、ポリエステルの敷布団は水分をほとんど吸いません。

綿や羊毛の敷布団に慣れている人なら、ポリエステルの敷布団は寒く感じられるでしょう。ベッドを使わず畳の上に敷布団を敷いて寝ている場合には、顕著にあらわれるデメリットです。

ポリエステルは綿ぼこりが出にくい反面で、静電気を帯びやすいデメリットもあります。

静電気は基本的に軽いものを引き寄せる性質があるため、空気中のハウスダストを引き寄せてしまうことが多いです。ダニも引き寄せてしまいます。咳が出る原因になってしまうでしょう。

ポリエステルの敷布団は一般的には耐久性が高く長持ちしますが、ものによってはすぐにへたれてしまいます。

安価な値段で買えるのがポリエステルの敷布団の1つのメリットではありますが、あまり安すぎる場合に耐久性もそれなりと考えておきましょう。

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ポリエステルの敷布団を使用するなら正しい手入れを

綿や羊毛の敷布団は基本的に自宅では洗濯できませんが、ポリエステルの敷布団は自宅でも洗濯できるものが多いです。

こまめに敷布団を干していても、中綿が汚れたままになっていたり、ダニが付着したままになっていたりすることがあります。

アレルギーやダニが気になって敷布団を綺麗な状態にして使いたいのであれば、洗濯してみるといいでしょう。

敷布団は家庭用の洗濯機に入る大きさではないため、自宅で洗濯する場合には浴槽を使って手洗いします。

使用する道具は、液体洗剤とすのこです。ふんわりと仕上げたいなら柔軟剤も用意しておきましょう。また、乾くのに3日ほどかかります。

まず、浴槽にぬるめのお湯を張ってから液体洗剤を入れてよく混ぜてから敷布団を入れます。敷布団は3つ折にすると浴槽に入るでしょう。

汚れが目立つ箇所があれば、浴槽に入れる前に軽くブラシで擦るなどしておくといいです。浴槽の中に敷布団を沈めたら、30分ほどそのままにしておきましょう。全体的に汚れが酷い場合には1時間くらい浸け置きしても大丈夫です。

その後、足で軽く何度か踏みます。あまり強く体重をかけすぎないように注意しましょう。敷布団に付着した汚れが押し出されると、水が濁ってきます。

栓を抜いて水を何度か取り替えながら泡がなくなるまで濯ぎましょう。濯ぐときに柔軟剤を加えるとふんわりと仕上がります。

すすぎが終わったら脱水を行いますが、浴室の床にすのこを敷いてから、敷布団を持ち上げてすのこの上に置きましょう。

足で軽く踏んだり、手で押したりすると敷布団に含まれている水が出て来て、すのこの隙間から落ちて流れて行きます。

水が出なくなったら外に干しますが、それでもまだ水を含んでいるためかなり重いです。

物干し竿を2本使用して干すと、少し乾きやすくなるでしょう。2本の物干し竿を少し離した状態にしておき、敷布団をMの字にするような具合です。

浴槽を使って敷布団を洗うのが難しい場合には、コインランドリーを利用するのもいいでしょう。

コインランドリーの洗濯機なら敷布団も洗えます。乾燥機の使用も可能です。ただ、敷布団を洗濯した場合には、中綿が偏ってしまったり心材がへたれてしまうこともあります。

なるべく自宅やコインランドリーでの洗濯は避けた方が無難です。

定期的に洗濯して清潔な状態で布団を使いたい場合には、ブレスエアーを使った敷布団を使うといいでしょう。側地と心材を切り離せるため家庭用の洗濯機でも洗えます。

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まとめ

ポリエステルの敷布団は綿や羽毛の布団と比べて安価でメリットが多いです。しかし、弱点もあるため敷布団を購入する際にはよく考えて選びましょう。

同じポリエステル製の敷布団でも、品質に差があり、ポリエステル特有の弱点があまり気にならないものもあります。